仕事を辞める時期と税金や社会保険料の関わりは？おすすめの退職時期を解説

仕事を辞める時期によって、支払う税金や社会保険料の額が変わるケースがあります。

当記事では、おすすめの退職時期や税金との関わりについて解説します。退職を検討している人は参考にしてください。

仕事辞める時期と税金や社会保険料の関わり

ここでは、仕事を辞める時期と税金・社会保険料の関わりについて解説します。

住民税

住民税は、前年の所得に基づき、翌年6月から翌々年5月まで分割で支払う税金です。退職時の住民税の支払いは、1～5月退職の場合、残額が給与から一括天引きされます。また、6～12月退職の場合は、納付方法を選択できます。

どの方法を選んでも、支払う総額は変わりません。ただし、1～5月退職では一度に大きな金額を支払う必要があるため、一時的な負担が重くなる点に注意しましょう。

社会保険料

退職日を月末にすると、社会保険料の支払いが会社負担となり、国民年金よりも安く済む可能性があります。

一方、月末以外に退職すると、即座に被保険者資格が喪失します。再就職までの期間が1日でも空くと、国民年金の加入が必要になり、費用負担が増える点を押さえておきましょう。

退職翌日に再就職する場合は、退職日が月末かどうかに関わらず、保険料の総額は変わりません。

退職するなら何月がいい？

ここでは、おすすめの退職タイミングについて解説します。

3月末・12月末

3月末・12月末は区切りがよい時期であるため、退職におすすめです。特に12月末は、冬のボーナスを受け取った後であることが多いため、金銭的なメリットもあります。

ただし、これらの時期は業界によっては繁忙期にあたるため、引き止められる可能性がある点を考慮しましょう。

月末

転職先が決まっていない場合、月末に退職すれば社会保険料の負担を抑えられます。その月の社会保険料は会社が負担するため、退職後に自己負担が発生しません。転職活動中で収入が不安定な場合は、月末退職を意識するとよいでしょう。

ボーナス支給月の末日

金銭的なメリットを重視する場合、ボーナスが支給される月の月末の退職がおすすめです。多くの企業では、ボーナス支給日に在籍していることを支給の条件としています。

夏のボーナスと冬のボーナスの特徴は、以下のとおりです。

・夏のボーナス：前年度の業績を反映することが多い

・冬のボーナス：当該年度の業績が影響することが多い

ボーナス支給から1か月程度経過後

多くの企業では、ボーナス支給日に在籍していないとボーナスを受け取れません。ボーナスを受け取ってから辞めたいと考える人もいますが、支給直後に退職する、あるいは退職届を出すと、周囲からの印象が悪くなる可能性があるでしょう。

もし印象を悪くしないまま退職したい場合には、ボーナス支給日から1か月程度経過した後の退職がおすすめです。ボーナス支給日から2週間ほど待って退職届を提出しても、引き継ぎ期間が確保できるため、周囲の調和を乱すことなく円満に退職日を迎えられるでしょう。

ボーナスにこだわりすぎないことも大切

退職する際には、ボーナスにこだわりすぎないことも大切です。ボーナス支給のタイミングにこだわりすぎると、条件がよい転職先への転職タイミングを逃してしまう可能性があります。

スムーズな転職を実現するためにも、事前にスケジュールを調整し、転職先への入社日とボーナス支給のタイミングをベストな状態にしましょう。

退職の意向を伝えるべき時期

ここでは、退職の意向を伝えるべき時期について解説します。

閑散期

退職の意向は、業務が落ち着いている時期に伝えるのが望ましいでしょう。進行中のプロジェクトが終わった後や四半期の終わりなどがおすすめです。

繁忙期は通常業務だけでも周囲の負担が大きい時期のため、退職前の引き継ぎが円滑に進まない可能性があります。

就業規則に従った時期

退職の際は、会社の就業規則を確認し、定められた手順に従うことが重要です。「退職の1か月前までに申告」といった退職時のルールは、企業ごとに異なります。

なお、企業の就業規則よりも2週間前までに伝えることを原則とする民法の規定が優先される点も押さえておきましょう。

また、退職時には引き止められる可能性もあるため、計画的に伝えることをおすすめします。

退職をする際の流れ

ここでは、退職する際の流れについて解説します。

退職理由を明確にする

退職を検討する際には、まず退職する目的を明確にし、再就職までの計画を立てることが重要です。退職理由が明確であれば、今後のキャリアプランも考えやすいでしょう。そのうえで、当面の生活費や貯蓄についても考えることをおすすめします。

転職の軸を決め、転職活動をする

退職理由を明確にしたら、転職の軸を決めたうえで転職活動を行います。

転職先を決める際は、以下の項目を軸として考慮するとスムーズに進みます。

・自分の経験やスキルを生かせるかどうか

・業務内容にやりがいを感じられるか

・企業の将来性

・労働条件

など

また、転職にあたって何を重視するかに応じ、それぞれの項目に優先順位をつけてください。

さらに、応募する企業の社風や働き方についても、あらかじめ確認しておくとよいでしょう。

退職を申し出る

転職先から内定をもらったら、上司に退職の旨を伝えます。退職の意思を伝える際には、事前に相談のスケジュールを確保してもらえるよう調整し、最低でも退職1か月前には伝えるようにしましょう。

引き止められる可能性もありますが、自分の意思をしっかり伝え、理解してもらうことが大切です。

業務の引き継ぎをする

退職の意思を伝えた後は、業務の引き継ぎを行います。退職によって、会社に余計な負担をかけないよう配慮する意識が大切です。

引き継ぎの際は業務内容を整理し、マニュアル作成をはじめ、後任者がスムーズに業務を進められるよう配慮を怠らないようにしましょう。後任者が業務を問題なく進められているか確認し、引き継ぎを完了させることが社会人としてのマナーといえます。

退職手続きを進める

業務の引き継ぎが終わったら、会社の規則に従い、必要書類の提出や貸与物の返却などの退職手続きを進め、会社との関係を円満に終えましょう。

また、退職後に必要となる書類は、確実に受け取ってください。具体的な例としては、以下が挙げられます。

・雇用保険被保険者証

・源泉徴収票

・年金手帳

・離職票

など

退職の挨拶をする

退職の挨拶は、正式に退職が承認された後に行います。事前に噂が広まり、職場内で不要な混乱を招かないよう、タイミングには十分注意しましょう。

また、取引先や顧客に対しても、必要に応じて退職の挨拶を行います。

退職する際の注意点

ここでは、退職する際の注意点について解説します。

ボーナスの査定期間を確認する

退職願を提出する前に、ボーナスの査定期間を確認しておきましょう。査定期間中に退職の意思を示すと、評価に関わらず査定が下がる可能性があります。

ボーナスが少なくなるリスクを避けるため、退職のタイミングは十分に検討してください。

ネガティブな退職理由を伝えない

退職する際には、ネガティブな退職理由を伝えないようにしましょう。退職理由として、人間関係や労働条件の不満を伝えると、当該内容の解決を条件に会社から引き止められる可能性があります。

また、不満を率直に伝えると、印象が悪くなり、トラブルにつながることも考えられます。これらのリスクを抑えるためにも、ネガティブな理由を控え、前向きな伝え方を心がけることが大切です。

プロに相談をする

転職を検討しているなら、転職コンサルタントといった転職のプロへの相談がおすすめです。相談をすることで、今後の方向性などが明確になります。

加えて、履歴書の書き方や面接対策など、実践的な内容の相談にも乗ってくれます。

まとめ

退職する際には、退職金や失業給付についてだけではなく、税金についても十分に考慮することが重要です。退職後の生活をスムーズに進めるためにも、適切なタイミングで退職しましょう。

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