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再就職手当を受給するためには、失業手当の支給残日数が3分の1以上残っていること、転職先で1年以上確実に働けること、待期期間を満了した後に転職することなど、いくつかの条件を満たす必要があります。
再就職手当を受給するためには、転職先で採用証明書をもらい、ハローワークに必要書類を提出し、再就職手当支給申請書を受け取り、再度ハローワークに提出するという手順を踏む必要があります。
再就職手当は非課税で受け取れる、失業手当を再び受け取れる、返金の義務がないなどのメリットがありますが、失業手当を全額受け取れない、焦って再就職先を決めてしまうリスクがあるなどのデメリットもあります。
再就職について調べていると、再就職手当の審査は厳しいという情報を目にすることもあり、不安に思う人もいるでしょう。
そこで本記事では、再就職手当に関して情報収集している人に向け、基礎知識や受給条件、受給の流れなどを解説します。また、再就職手当の審査についても解説するため、ぜひ参考にしてください。
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結論からいうと、再就職手当の受給審査の基準自体は厳しいものではありません。ただし、受給条件を満たしていなかったり、待期期間中に短時間労働者として働いたりした場合は、審査に落ちる可能性もあることを覚えておきましょう。
年収600万円以上のミドル・ハイクラス向けのダイレクトリクルーティングサービスである「マイナビスカウティング」を利用している方へ行ったアンケート調査によると、回答者の19%が再就職手当を申請したことがあると答えています。これは、再就職手当がまだ広く利用されていないことを示していますが、申請した人の多くが手当を受給できていることから、手続きを理解し適切に行うことが重要です。
アンケート結果では、再就職手当を申請した人の84.2%が申請が通ったと答えています。これは、再就職手当の申請が比較的成功しやすいことを示していますが、15.8%の人が却下されていることから、申請手続きの正確さが重要であることがわかります。
アンケート結果によると、再就職手当の申請手続きを「普通」と感じた人が36.8%で最も多く、次いで「とても簡単だった」と感じた人が28.9%でした。一方で、「とても難しかった」と感じた人は2.6%にとどまっています。手続きの難易度は個人差がありますが、基本的な手続きを理解しておくことが重要です。
再就職手当の受給審査について解説する前に、そもそも再就職手当とはどのようなものかを詳しく解説します。
再就職手当とは、失業者が早期に再就職した場合に受け取れる給付金のことで、早期の再就職を促す目的の制度です。なお、再就職手当ではなく「就職祝い金」や「祝い金」と呼ばれるケースもあります。
再就職手当と似た制度に、失業手当というものがあります。2つの手当は、どちらも雇用保険に含まれる制度ですが、支給する目的が異なります。失業手当は、失業した労働者の生活を安定させる目的で支給される手当であり、再就職手当は、転職活動を促進する目的で支給されるものです。
再就職手当は、どのような条件を満たせば支給対象になるのかを解説します。
転職活動の後、転職できた日の前日時点で、失業手当の支給日数が全体の残り3分の1を下回る場合は、再就職手当の受給対象にはなりません。
なお、支給残日数は、雇用保険受給資格者証の裏面にて確認できます。再就職手当を受け取る可能性がある場合は、支給残日数が3分の1以上残っているか確認して、就職活動するとよいでしょう。
早期に再就職先が見つかった場合でも、契約期間が1年未満の場合は対象外になるため、注意が必要です。ただし、契約更新の見込みが十分あれば、この限りではありません。
また、登録型派遣での就職の場合も、具体的な派遣予定がない場合は、制度の対象外になってしまいます。1年以内に会社都合による転籍や出向がある場合も注意が必要です。しかし、就職時に1年を超えて勤務することが確実であると認められており、不足の事態によって1年以内で勤務が終わった場合は、この限りではありません。
雇用保険の手続きを開始した日(受給資格決定日)から7日間経過するまでを、「待期期間」と呼びます。再就職手当の受給は、この待期期間が終了したあとの転職が対象になるため、再就職手当の受給を検討している場合は、転職のタイミングにも気をつけましょう。
自己都合で離職した場合、7日間の待期期間に加えて2か月の給付制限があります。その給付制限中の最初の1か月は、ハローワークもしくは許可届出がある職業紹介事業者の紹介で就職しないと、再就職手当が受け取れません。
つまり、職業紹介事業者の求人サイトを利用して自ら求人に応募したり、ハローワークの求人でも紹介状なしで求人に応募したりした場合は、受給対象外になってしまいます。
退職した職場や、退職した職場と人的交流があったり年間売上の大半を取引していたりする企業に転職した場合も、再就職手当の受給対象外です。また、派遣の場合は、派遣先が変更になっても再就職手当の対象にはなりません。
過去3年の間に同制度を利用したことがある場合は、再就職手当の受給対象外になります。また、常用就職支度手当も同様に対象外となるため、注意しましょう。
なお、常用就職支度手当とは、障害などが理由で就職が困難な人の常用就職を促進するため精度で、公共職業安定所長が必要と認めたケースにのみ支給される手当です。
失業手当の受給資格決定前から内定が決まっている場合は、再就職手当が受け取れません。
なお、失業手当に関しては、内定をもらっていても継続して転職活動をする場合、手続きが可能です。ただし、内定をもらった後に続けた求職活動の結果に満足できず、結果的にすでに内定していた企業へ転職する場合は、失業手当の対象外になります。
勤務先の雇用が雇用保険の被保険者資格を満たす条件でない場合は、再就職先が見つかっていても給付金を受け取れません。
雇用保険の加入条件は、主に以下の内容です。
・1週間の所定労働時間が20時間以上であること
・31日以上雇用されることが見込まれること
再就職手当の受給条件は厳しくないにも関わらず、なぜ審査に落ちるのかと疑問に思う人も少なくないでしょう。
受給審査に落ちる理由としては、待期期間中に短時間労働者として働いた、失業手当の支給日数が足りない、再就職先が決まったものの、就職先が離職した企業の関連会社である場合などが挙げられます。
このように再就職手当の受給条件を満たさない場合は、再就職手当が支給されないため注意しましょう。
アンケート結果では、審査基準について「ある程度理解していた」と答えた人が44.7%で最も多く、次いで「よく理解していた」と答えた人が23.7%でした。一方で、「全く理解していなかった」と答えた人は7.9%にとどまっています。審査基準を理解することが、申請成功の鍵となります。
再就職手当を受け取れる条件に当てはまる場合は、次の手順で手続きを進めていきます。
転職したことを証明するためには、再就職先の職場で「採用証明書」を作成してもらう必要があります。採用証明書の原本は、失業保険の受給が始まる際に渡される「受給者のしおり」にも入っているため、会社に提出し、必要事項を記載してもらいましょう。万が一原本がない場合は、インターネット上でもダウンロード可能です。
就職先から採用証明書の必要項目に記入してもらったら、ハローワークの窓口に必要書類をそろえて提出します。必要書類には、採用証明書の他に雇用保険受給資格者証や失業認定申告書などがあります。
ハローワークに直接出向くのが困難な場合は、郵送や電子申請での提出も可能です。
ハローワークの窓口で、書類の確認をしてもらいます。受給条件を満たしていると判断されたら、再就職手当支給申請書を受け取れます。場合によっては、ハローワーク独自の追加書類を受け取る場合もあるため、案内に従って対応してください。
ハローワークで受け取る再就職手当支給申請書を就職先に提出して、必要項目の記入を依頼します。また、現職場が前職と関係のない会社でなければ受給対象にならないため、それを証明する書類もこの段階で作成してもらわなければなりません。
必要項目を記入した再就職手当支給申請書や、雇用保険受給資格者証などの必要書類がそろったら、ハローワークの窓口に書類を提出します。なお、現在の職場での勤務実績を証明する書類を求められるケースもあるため、覚えておきましょう。
必要書類を提出すると、ハローワークによる再就職手当の受給審査が実施されます。この審査を通過すると、給付金が指定の銀行口座に振り込まれます。
審査の可否がどちらであっても、後日重要書類が郵送されてくるため、きちんと保管しておくようにしてください。
再就職手当の受給額は、統一ではなく、条件によって異なります。詳細は以下で解説します。
再就職手当の制度で受け取れる受給額は、基本手当日額に失業手当の支給残日数と、支給率(60%または70%)をかけて計算します。計算に必要な基本手当日額や支給残日数は、雇用保険受給資格者証に記載されているため、確認のうえ、一度計算してみてください。
再就職手当の給付率は、支給残日数(失業手当が支給される日数の残り)によって異なります。具体的な支給率は以下の通りです。
・支給残日数が3分の1以上残っている場合:支給率60%
・支給残日数が3分の2以上残っている場合:支給率70%
つまり、失業手当が90日間受け取れる人は、支給残日数が60日ある状態で再就職すると、支給率が70%になります。
早期に再就職した場合に受け取れる再就職手当には、どのような特徴やメリットがあるのでしょうか。
再就職手当は、給付を受けてもその金額は非課税です。つまり、確定申告や年末調整での申告も不要です。ただし、社会保険の扶養の算定には含まれるため、該当する場合は注意してください。
失業手当には、受給回数の制限が設けられていません。そのため、万が一再就職手当を受け取ってから再就職先を退職しても、受給条件を満たせば、再度失業手当を受け取れます。
再就職手当は、受給後に再就職先を退職しても、返金の義務がありません。再就職手当の受給条件に「転職先で1年以上確実に勤務できると認められる」という項目がありますが、強制力はありません。また、受け取ったお金の使い道にも決まりはないため、自由に使えます。
失業中に受け取れる失業手当の基本支給額は、離職前の給与に比べると少額です。また、一度に全額支給されるのではなく、受給期間に月ごとの支給を受けます。そのため、転職するまでの期間が長いほど生活費が切迫し、生活が不安定になってしまう人もいるでしょう。
一方で、再就職手当は、一度にまとまった額が支給されるため、転職後の一時的な生活資金不足を安定させることができます。
再就職手当にはメリットが多くありますが、懸念点やデメリットもあります。メリットとあわせて把握しておきましょう。
退職後、早期に再転職して再就職手当を受給すると、失業手当の支給は途中で打ち切りになります。タイミングや条件によっては、失業手当を満額受け取る場合よりも、金銭的に損をする場合もあることを覚えておきましょう。
本制度には、再就職が早く決まるほど、給付金の支給額が多いという特徴があります。そのため、給付金を多く受け取るために、焦って少しでも早く転職先を選ぶよう行動してしまう人もいるでしょう。
慎重に再就職先を見つけなかった場合、自身の希望や能力に合わない職場に転職してしまう可能性もあるため、注意してください。
再就職手当は、前職が正規雇用でなく、派遣や個人事業主の場合でも、条件次第では給付金の受け取りが可能です。一度、ハローワークの窓口で条件を満たすか確認してみましょう。
アンケート結果から、再就職手当の申請を考えている人に対する主なアドバイスとして以下の点が挙げられました。
再就職手当の申請を考えている人に対して、どのようなアドバイスがありますか?(38人・71件の回答)
これらのアドバイスは、再就職手当の申請をスムーズに進めるために非常に有益です。特に、審査基準を事前に確認し、必要な書類を揃えておくことが重要です。
再就職手当は、早期に再就職した場合、受け取れる手当です。再就職先の会社に依頼して作成する書類もあるため、対応漏れのないよう確認しながら、手続きを進めてください。
また、受け取ったお金は非課税であり、失業手当とは異なり一括で受け取れるなどのメリットがありますが、慌てて就職先を探して後悔しないように注意も必要です。
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